フード
寮の食事と学校の弁当を供給しているのは「フード」と呼ばれる
自前の給食センターであった。正式には「フードサプライ」という
会社であったように思う。自前の会社であり、
競合会社というものはないのだが、幸いなことに企業努力というものは
存在するらしく、不人気な献立はそのうち出なくなるし、
新しい献立を出す試みや味の改善も行っていた。
そのため、同じ献立でも中学1年の頃に出ていたものより
高校3年の時に出ていたもののほうが味が良かったりした。
寮生の一食辺りの費用は決まっていた。一度だけ、それが幾らなのか
耳にした記憶があるのだが、具体的な金額は忘れてしまった。
しかし、1週間ごとに張り出される献立表を見て、割合に豪華な
献立が載っている場合、その前後の献立が予算調整のためか
非常に質素なものになっていた。寮の食事で一番質素なのは
「イカの煮物とサラダ」である。記載されはしないが、
当然それとご飯である。この「イカの煮物」というのは
イカの胴体部分をただ煮ただけのものが
そのまま一個出されるだけであった。
他には何もない。切ってさえいない。箸で挟んで
歯で噛み切るのである。
ともあれ、少ない予算をやりくりして「フード」は頑張っていたと思う。