コラム「無断外出」
許可なく学園の敷地から出て行くこと。「ツラ外」と呼ばれていた。
もちろん、発覚すれば外出禁止などの処罰がある。
「ツラ」というのは寮独特の言葉で、普通の言葉では
「しれっと」が一番近い。「何食わぬ顔をして」、「そ知らぬ顔で」
というような意味合いである。
他の用法として「ツラっと」、「お前ほんまにツラやな」などがある。
学園の敷地の正式な出入り口には防犯上ちゃんと警備員が
いるのだが、その他にも出入りの出来る場所があったため、
その気になれば「ツラ外」はたやすいことだった。
学校の教師などと出くわすことを避けるため、コンビニに行きたい
場合などは深夜に決行されることもあった。
これは昼間に行うよりも罪が重かった。
深夜に外出する場合は、買い物よりも「無断で外出する」
という行為そのものが大切だったように思う。
寮のある高台から敷地を出て長い坂を下りきったところにコンビニがあり、
そこへ行くのが常だった。ただ、コンビニの店員がバイトではなく
その店の店長だった場合は寮に連絡されてしまうという話だった。
また、高校2年生くらいの頃に坂の下に終夜営業のカラオケボックスが
オープンし、そこへ行くことがごく一部の金のある寮生の間で
流行ったことがあった。