コラム「洗面器置き」
金剛寮の東西寮生玄関へ下る階段の傍、
大食堂のドアの脇に大きなスチール製の棚があった。
そもそも何に使用されていたのかは不明だが、
当時は部活から帰り、第一夕点を取って夕飯を
終えた寮生が一旦部屋へ帰らずともそのまま大浴場へ行けるよう、
洗面器や着替えを置いておけることになっていた。
ただしこれは2、3年生のみが許されており、
1年生は置いてはいけないと言う不文律があった。
(これは記憶違いの可能性もあり、あるいは置いてはいけないのは
1年生の1学期、つまり指導期間の間だけだったかもしれない)
楠寮でも洗面器は大食堂へ行くための玄関を入ってすぐの所に
置いていたように記憶している。これも上級生のみの特権であったように思う。
このように、日常の中にまで学校の学年という要素が持ち込まれ
様々な特権が区分けされていた。こうした例はそこここに見られるし、
寮の側でも、特に金剛寮は、そうした階級分けを行っていた。
大浴場の浴槽に見られる厳然たる差別化がその好例だ。