赤い傘を子供が回している。出掛けるのだろうか。黒いワンピースドレスを着ている。赤い傘の縁から雨垂れが弾け落ちる。雨の粒が地面にぶつかると路面がへこむ。
アスファルトのはずだが。不思議に思って私はその場にしゃがみこみ、地面に指を這わせる。柔らかかく、ざらつくような感触が指に吸い付く。その指を舐めてみると微かに甘い。私は思い切って指を地面に突き立てる。重たい抵抗感と軽く吸われるような感触と共に指は地面に突き刺さる。間違いない。ようかんだ。そう思った途端、私は足先から腰まで、地面に沈む。
気付かなけりゃよかった。にしても政府は税金を使って何を作ってるんだか。私は腹立ちまぎれにようかんを一握り掴み取ると口に入れた。なかなか旨い。むしりとられた後の窪みにたちまち雨が溜まる。